東海道新幹線やJR北陸線の乗客に長年、愛されてきた駅弁が2月末で姿を消す。江戸時代から続く滋賀県の老舗業者が、地元食材と手作りにこだわり販売してきたが、購入客の減少や食材費の上昇で撤退を決めた。鉄道ファンから惜しむ声が寄せられている。
1854(安政元)年創業の「井筒屋」(滋賀県米原市)。もとは同県長浜市で旅籠(はたご)(旅館)を営んでいた。89(明治22)年の東海道線全通(新橋―神戸間)を見越し、米原市に拠点を移し駅弁事業を始めた。
現在販売している駅弁は8種類。1987(昭和62)年の国鉄からJRへの民営化に合わせ、「新幹線グルメ」として発売した「湖北のおはなし」(税込み1480円)が名物となった。
鴨のローストやワカサギのあめ煮……おばあちゃんの手作りのような献立
湖北(滋賀県北部)産の鴨(…