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タンゴ・エクスプローラー=北近畿タンゴ鉄道提供
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 天窓の車窓にゴールドに輝く流線形の車体――京都府北部などを走る京都丹後鉄道(丹鉄)のディーゼル列車「タンゴ・エクスプローラー」=写真(北近畿タンゴ鉄道提供)=のお別れイベントが6月に予定されている。JRの赤字ローカル線からの転換期を支えたが、引退の時期がコロナ禍と重なった。車内見学などの返礼を設定したクラウドファンディング(CF)で開催費を集める。

 タンゴ・エクスプローラーは1990年4月、赤字路線だった当時の宮津線(西舞鶴―豊岡間)をJRから丹鉄の前身の第3セクターが引き継いだ時から運行開始。北近畿と京阪神に架ける夢の橋にたとえた虹と、丹後地域の七夕伝説の星をシンボルマークにあしらったという。

 だが、路線の電化が進むとともに、運行ルートが次々と変わった。3セクも経常赤字に苦しみ、2015年には、赤字打開を図るため、鉄道運行と施設保有を別会社にする現在の「上下分離方式」が導入された。

 客を乗せたラストランは、運行から30年にあたる20年秋、貸し切り団体臨時列車としてだった。この年、正式なお別れ会が検討されたが、コロナ禍のため見送ったという。現在は西舞鶴駅の車両基地に置かれている。

 今回、スポットを当てたのは、施設を保有する「北近畿タンゴ鉄道」。未来にも丹鉄を走らせるための応援プロジェクトの第1弾として、引退した名車に感謝の気持ちを込めるイベントを6月1日に予定している。

 CFの返礼には車内見学(1…

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