コスモエネルギーホールディングス傘下の丸善石油化学は28日、千葉県市原市でエチレン生産設備の集約を検討すると発表した。需要の低迷を踏まえて2026年度末までに自社の1基を停止し、住友化学と合弁で運営しているもう1基に集約する。止める設備の年間生産能力は52.5万トン。残す設備は国内最大級の76.8万トンだ。
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集約に伴い、合弁の設備からエチレンを引き取る割合も見直す。丸善の引き取る割合を現在の41%から引き上げ、住友化学は59%から引き下げる方向だ。
石油由来のナフサを分解してプラスチックのもとになるエチレンをつくる設備は、コンビナートの中核。人口減少に伴う内需の低迷と中国勢の増強で、構造的に余っている。業界全体で国内に12基ある生産設備の集約に向けた動きが、千葉県や瀬戸内で活発になっている。(山本精作)