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中川李枝子さん=2015年撮影
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 「いやいやえん」や「ぐりとぐら」シリーズなどで知られる児童文学作家の中川李枝子さんが10月14日、89歳で亡くなった。交流があった児童文学作家のあまんきみこさんに、中川さんの思い出と、その作品の魅力について聞いた。

子どもの香りを感じる「いやいやえん」 何回も読んだ

 中川さんの作品、大好きですね。童話の「いやいやえん」て、すごいなと思いました。わんぱくなしげるくんの声がするし、ハアハアッて子どもの吐息が聞こえる。子どもの香りがしますよね。たくさん線を引っぱって、何回も読みました。

 出版社から対談のお話があって、去年6月、中川さんのご自宅にうかがって初めて長い時間お話ししたんです。中川さんは体調を崩していたのが落ち着いて、退院されたところでした。

 お話を聞いていたら、子どものころの記憶がすごいの。「キンダーブック」(保育絵本)の話になると、作者や絵描きさんの名前をみんな覚えているんです。それに、中川さんはお姉さんがいらして、お姉さんが本を読む隣にいつもいたから、気がついた時には字が読めたんですって。

 中川さんは東京のみどり保育…

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