鹿島アントラーズ社長兼メルカリ会長の小泉文明さんから話を聞く生徒たち=2025年1月22日午後1時43分、茨城県鹿嶋市立高松中学校、中村幸基撮影

 サッカーJ1鹿島アントラーズ社長でフリーマーケットアプリ大手メルカリ会長の小泉文明さんが、茨城県鹿嶋市内の中学生にキャリアデザイン(人生設計)を語った。「僕の今の人生、ほぼ中学時代の経験が生きている」という小泉さんの話に、生徒たちは真剣な表情で聴き入った。

 小泉さんは22日に高松中を訪問。鹿島中、鹿野中とオンラインでつないで、3校の2年生287人とやり取りした。

 自分の将来を決定づけた中学時代の出会いとして、「洋楽・ファッション」「(米アップル社のパソコン)Mac」「部活仲間」を挙げた。自分の選んだナイキ社のスニーカーが社会現象と呼ばれるほど高騰したことが将来のメルカリにつながるきっかけだったといい、父の実家の茨城県行方市に来たときアントラーズの試合を見てファンになったことなどを振り返った。

 小泉さんは「皆さんが大人になるころにはテクノロジーの進化で今ある職業の半分はなくなっている」と予想。「夢を持つことの重要性が増す時代になる。何が好きでもいい。無駄なものは何もなく、つながっていく。本当に好きなことを追求していく先に人生がある」と語りかけた。

 終了後の取材に、高松中の杉本光駿さんは「あきらめずにやり続けている小泉さんはすごい。僕も一日一日を大切にしたい」。宮﨑由奈さんは「『努力は裏切らない』という言葉が心に残った。私も友だちを大事にしたい」と話した。

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 茨城県鉾田市にある中学校5校の2年生366人が、オンラインで男女共同参画学習に取り組んだ。生徒らは専門家とのやり取りを通じて、「家事や育児は女性がやる」といったアンコンシャス・バイアス(性別による無意識の思い込み)をなくし、幅広い選択肢を持つことの大切さを知った。

 市が主催して21日にあった。市立の旭、鉾田北、鉾田南、大洋と、県立鉾田第一高校付属の各中学校が参加した。教育や育児に詳しい「RION」(茨城県つくば市)代表の鷲田美加さんとつなぎ、講演を聞いた後、グループワークに臨んだ。

 鷲田さんの「将来、どのようなパートナーを望みますか」との問いに、生徒からは「価値観が合う人」「気遣いができる人」「居心地が良くて明るい人」「自分のことを理解してくれる人」などの声があがった。鷲田さんは「内面の魅力を重視する人が多くて素敵。私が中学生の頃は、『三高(高学歴、高収入、高身長)が理想』と言われた」と応じた。

 最後に鷲田さんは「皆さんの将来は、自分の知っている選択肢の中からしか選べない。いろいろな人と知り合う努力をして、さまざまな考えがあることを共有し、将来への選択肢を広げてほしい」と呼びかけた。

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