中国建国70周年軍事パレードに登場した新型長距離弾道ミサイルDF41。2024年9月25日に発射されたミサイルと同型かは不明だ=2019年10月1日午前11時22分、北京、仙波理撮影

 中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け日本政府は25日、対応に追われた。中国はロシアとともに日本周辺での軍事活動を活発化。ICBMは米ハワイ南方の公海上に落下したとみられ、防衛省内では「米国へのメッセージ」(関係者)との見方が強まっている。

 中国軍は25日、ICBMを太平洋の公海へ向けて発射し、予定した海域に落下させたと発表した。中国がICBM発射を公表するのは極めて異例。中国軍は1980年に長距離ロケット発射に成功し、初のICBMと位置づけられている。発射の公表はこの時以来44年ぶりとみられる。

 木原稔防衛相は25日午後、視察先の陸上自衛隊大宮駐屯地(さいたま市)で記者団に「中国軍の動向に関する情報収集、分析を続け、警戒監視に万全を期す」と語った。防衛省の分析によれば、ICBMはフィリピン・ルソン島周辺の2カ所でそれぞれミサイルの切り離しを行い、最終的に弾頭部分をハワイ南方の公海上に落下させたとみている。防衛省関係者は、落下予告海域から逆算し、発射は中国南部と推測。ルソン島西方の中国・海南島には衛星発射場があり、ICBMの発射にも使いやすいという。この関係者は「今回の発射は、米国に対し核を積んで撃てる能力があるというメッセージだ」とみる。

 一方、日中関係筋によると…

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