中国が1964年に初めて核実験に成功してから、16日で60年となった。中国内では当時開発に携わった研究者らの成果を賛美する報道が相次ぐ。中国政府は核廃絶を求める立場を崩していないものの、近年は核弾頭や運搬手段を急速に増強しているとみられている。

 「今日に至るまで、あのキノコ雲は夢に現れ、目覚めた彼の目尻にはいつも涙が浮かんでいる――それは喜びの涙だ」

 共産主義青年団の機関紙・中国青年報は、60年前の核実験に携わった技術者の記憶をたどる記事を14日付の1面に掲載した。中国は新疆ウイグル自治区の実験場でのこの核実験に成功し、米ソ英仏に続いて5番目に核保有国に。記事は技術者の証言を元に、「中国の運命を決定づけた瞬間」までの歩みを紹介した。

 他の中国メディアも、16日に合わせて「英雄」たちをたたえる記事を相次ぎ伝えた。一方で、核軍縮をめぐる世界の現状に触れたり、核兵器の恐ろしさを伝えたりする報道はほぼみられない。

今年の平和賞はどう報じた? 核戦力は増強

 日本原水爆被害者団体協議会…

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