あいさつする桂ざこばさん=2020年6月1日、大阪市西成区の動楽亭

 12日に76歳で亡くなった桂ざこばさんは人情の噺家(はなしか)として知られた。

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 幼い頃に両親が離婚し、父に引き取られた。だが小学2年生の時、その父も他界。母の元に身を寄せ、中学生のころから新聞配達や靴磨き、精肉店の配送など数々のバイトをこなしたことを、前職のスポーツ紙芸能担当記者時代のインタビューや、その後に大阪・ミナミの酒場で顔を合わせた際に話してくれた。

 噺家になってからは「涙もろい人」として多くの人に愛された。落語の世界に足を踏み入れるまでの数々の苦労や寂しい思いが、他人の気持ちを思いやる視点につながったのだろう。

 落語の道へ進むことを決定づ…

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