阪神・淡路大震災30年の追悼式典で、花束を手に祭壇に向かう天皇、皇后両陛下=2025年1月17日午後0時42分、神戸市中央区の兵庫県公館、田辺拓也撮影

 神戸市を訪問中の天皇、皇后両陛下は17日、神戸市中央区の兵庫県公館であった阪神・淡路大震災の追悼式典に出席。支援団体や防災学習をする小学生らとも交流し、帰京した。

 天皇陛下は式典で、「震災の経験と教訓をもとに、皆が助け合いながら、安全で安心して暮らせる地域づくりが進められるとともに、そこで得られた知見が国の内外に広がり、次の世代へと引き継がれていくことを期待します」と述べた。

 被災地支援団体との懇談では、両陛下は次世代への継承を行う若者らに、活動について聞いた。同市灘区の大和公園内にある「あすパーク」を中心に活動する「あすパ・ユース震災語り部隊」は、地元の高校生や大学生ら約30人でつくる団体で、阪神・淡路大震災などの経験を聞き取り、発信している。

 所属する灘高校2年の吉元孝輔さんと、同校の池田拓也教諭は両陛下に、「震災を経験していない若者だからこそ、初めて語ってくれることもある」と説明。震災以外にも様々な経験を聞いていることを伝えると、天皇陛下は、「世代間での交流は大切なことですね」と声をかけた。

 式典後は、同市中央区の「人と防災未来センター」を訪問。防災学習をする地元の小学6年の様子を見学し、学習の感想を聞いて交流した。

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