兵庫県立兵庫津ミュージアムを見学する天皇、皇后両陛下=2025年1月16日午後3時30分、神戸市兵庫区、筋野健太撮影

 天皇、皇后両陛下は16日、阪神・淡路大震災から30年の追悼式典に出席するため、神戸市を訪問した。滞在は17日まで。この日は、兵庫県立兵庫津ミュージアムで震災特別展示を見学した後、地元の震災経験者ら4人と懇談した。

 震災当時、理容室を営んでいた高(たか)四代(よんだい)さん(77)は、天皇陛下から一番大変だったことを聞かれ、約3カ月間、日中は理容室、夜間は避難所の警備で、店と避難所の往復を続けたことを伝えた。皇后さまは「たくさんの人が助けられた」といたわった。

 復興後のまちづくりに向けてNPOの理事長として音楽祭など様々なイベントを企画してきた高さんは、両陛下がねぎらってくれたことについて、「私の生涯の宝物です」と声を詰まらせた。

 懇談の後、両陛下は、ドラム缶の打楽器「スチールパン」を使う楽団「ファンタスティックス」の演奏を笑顔で聴いた。震災で店を失った商店街の店主らが復興を願って結成した楽団で、宮城県などの被災地でも演奏をしてきたという。天皇陛下は「素晴らしい演奏」とたたえた。17日は追悼式典に出席する。

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