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全国戦没者追悼式の会場を発つ天皇、皇后両陛下=2024年8月15日午後0時22分、東京都千代田区の日本武道館、上田幸一撮影
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 天皇、皇后両陛下が戦後80年にあたり、4月にも硫黄島(東京都小笠原村)を訪問する方向で宮内庁が検討を進めていることが関係者への取材でわかった。同庁は「戦争の悲惨さを後世に正しく伝えていく」との天皇陛下の気持ちを踏まえ、6月には沖縄県と広島県、9月には長崎県をそれぞれ訪問することも調整中だ。

 硫黄島は、太平洋戦争が終結する直前の1945年2月に米軍が上陸。激しい戦闘が行われ、旧日本軍約2万1900人、米軍約7千人が戦死した。上皇ご夫妻も在位中の95年に行った戦後50年の「慰霊の旅」に先立つ94年、小笠原諸島を訪問。父島、母島と共に硫黄島にも足を運び、戦没者の慰霊碑に祈りを捧げている。

 天皇陛下は新年にあたり公表した感想の中で、今年が戦後80年にあたることに触れ、「平和な世界を築いていくために、人々がお互いの違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくことの大切さを感じます」などとつづった。同庁は、「先の大戦の悲惨さを後世に正しく伝えていかなければいけない」という天皇陛下の気持ちを踏まえ、戦後80年の節目にあたる行事を検討しており、被爆地の広島・長崎、国内最大の地上戦が行われた沖縄の3県では、戦争の記憶を語り継ぐ関係者と懇談することなども検討している。

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