政府が26日にまとめる「GX(グリーン・トランスフォーメーション)2040ビジョン」の素案には、地熱発電の開発支援策も盛り込まれる予定だ。地熱は再生可能エネルギーでありながら、太陽光や風力発電のように天候に左右されず、期待がかかる。ただ開発に伴う課題は多く、発電量は伸び悩む。先進地の取り組みを探った。
鹿児島県霧島市の霧島温泉郷は、霧島連山の南西に位置する。湯量が豊富で、温泉街にはもくもくと蒸気が立ちこめる。
そこから直線で3キロほどの山中に10月、九州電力の子会社、九電みらいエナジーが「霧島烏帽子(えぼし)岳バイナリー発電所」の建設を始めた。地下からくみ上げた蒸気でタービンを回す地熱発電所だ。低温の蒸気・熱水で発電できるバイナリー方式をとる。発電出力は約5千キロワットで、約1万世帯の年間の消費電力をまかなえる規模という。
地熱発電は、太陽光・風力発…