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観光バスや乗用車が利用する「せせらぎ公園駐車場」=2025年3月5日、岐阜県白川村、荻野好弘撮影
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 世界遺産・白川郷の合掌造り集落がある岐阜県白川村は、10月1日からオーバーツーリズム対策として村営駐車場の利用料金を値上げする。大型・マイクロバスは現行の1回3千円が1万円、普通・軽自動車は1千円が2千円、二輪車は200円が500円となる。

 村営駐車場の条例改正案が6日、村議会定例会で可決された。

 村によると、合掌造り集落に近い「せせらぎ公園駐車場」など3カ所で計約820台を収容。2024年は、普通車(軽を含む)23万3千台、バスは2万4千台が利用した。普通車がそれまでの過去最多だった19年の1・2倍に増えるなど管理コストが増大。付近の国道156号では年末や連休に激しい渋滞も発生し、村民の生活に影響が出ている。

 そのため、値上げに踏み切り、改定した利用料は駐車場の管理や大規模修繕のほか、合掌造り集落の景観保存などにも充てる。

 村側は6日の議会で、連休、お盆といった繁忙期や冬季に割増料金の導入を検討していることも明らかにした。ただ、議員からは「料金改定で渋滞が解消するとは思えない」との声が出た。

 成原茂村長は「最終的には(車両の)総量規制をするしかないと思うが、段階的に進めたい」と取材に話した。

 また、村は4月から路線バス用の白川郷バスターミナルの乗り入れ料を1台160円から1500円に値上げする。インバウンド(訪日外国人客)で混雑するターミナルの安全管理や待合室拡張の費用などに充てるという。この関連条例案も6日の村議会で可決された。

 ターミナルには名古屋、高山、金沢などと結ぶ9社が乗り入れている。

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