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40年近く南極海をただよう世界最大の氷山が、ゆっくりと北上を続けている。英国南極観測局(BAS)は、ペンギンなどの繁殖地になっている南大西洋の島に向かっていると指摘。専門家は、氷山が島と衝突した場合、生態系や漁業に悪影響が出るおそれがあるとしている。
氷山の名称は「A23a」。BBCなどによると、面積は東京都の1.5倍超にあたる約3500平方キロメートル、厚さは約400メートル、重さは約1兆トンで世界最大という。
BASなどによると、この氷山は1986年に南極の棚氷から分離した後、40年近く海底にひっかかったり、海の渦にとらわれたりしながら南極海にとどまっていた。しかし、氷がとけたことなどから2020年ごろに北上を開始。BASは昨年12月に英領サウスジョージア島に向かう可能性が高いと発表した。
サウスジョージア島は「野生動物の楽園」とも呼ばれ、島のホームページによると、一帯にはペンギンを含む約30種の鳥類が6500万羽、4種のアザラシが約500万頭生息している。居住者はいないが、近海は漁場として使われ、アイナメなどがとれるという。
島周辺に座礁か 今後温暖化の影響も
北海道大学の杉山慎教授(氷…