政府の総合経済対策をめぐり、自民、公明両党が20日、国民民主党と合意した。これまで与党だけの閉じた政策決定プロセスだった「事前審査」に野党の主張が採用された。少数与党の国会で、新たな政策決定プロセスが生まれるか、それとも国民民主が与党に飲み込まれて終わるか――。
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「新しいチャレンジを野党が作っていく第一歩になった」。国民民主の浜口誠政調会長は3党での合意後、記者団から「与党の事前審査に入ったとみられるリスクはないのか」と問われ、こう反論した。浜口氏は「新しいスキーム(枠組み)だ」とも語り、与党によるこれまでの政策決定プロセスに風穴を開けたと強調してみせた。
長らく与党を担った自民は、政府の法案や予算案を国会提出の前に審査する仕組みを確立してきた。この事前審査をパスした法案や予算案は、与党の「数の力」で成立させることができるため、国会を通して野党の意見が採り入れられることはまれ。立憲民主党の小川淳也幹事長は「(事前審査が)国会を殺してきた本丸」だと指摘する。
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