社会保険診療報酬支払基金が発表した懲戒処分に関する文書=2025年1月30日午前10時24分、東京都、吉備彩日撮影

 厚生労働省の外郭団体「社会保険診療報酬支払基金」は、公的保険を使った医療費の請求書を不適切な手順で審査していたなどの理由で、職員25人を懲戒処分、ほかの職員267人を「文書注意」処分にしたと29日までに発表した。

 支払基金は、医療機関や薬局が月に1度提出する診療報酬明細書(レセプト)が適正か審査し、医療費を支払う業務を担う機関。年13億件(2023年度)あるレセプトの審査は、大部分を人工知能(AI)などで自動化している一方、特定の条件にあてはまる1割は職員の目視で行っている。

 問題があったのは目視審査で、本来は認められていない自作のツールなどを使っていた。昨年11月中旬、九州を所管する職員が、画面上で一定の秒数がたつと、審査中のレセプトが次のレセプトに自動的に切り替わるツールを使用しているのを上司が発見。11月中旬から12月初旬にかけて、全国3630人の職員を調査したところ、同様のツールを一度でも使ったことがある職員が計290人いた。うち27人はツール使用中に離席し、目視確認を経ずに審査を終えたことがあったという。

 懲戒処分となった計25人の…

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