文部科学省の2023年度の調査で、島根県内の公立小中学校の不登校の児童・生徒数が2283人と、過去最多となった。前年度比372人の増で、8年連続で増加した。コロナ禍を経て子どもたちの登校意欲が下がったことや、無理に登校させる必要がないという保護者の意識の変化などが、増加の背景にあるとみられている。
県教育委員会によると、不登校者の内訳は小学生が974人(前年度比186人増)、中学生が1309人(同186人増)。学年別では中3の479人が最も多かった。
計2283人のうち、年間の欠席日数が30~49日が649人(28・4%)、50~89日が494人(21・6%)。90日以上は1140人(49・9%)いて、そのうち出席日数11日以上は928人(40・6%)、1~10日139人(6・1%)、0日73人(3・2%)だった。
学校が不登校を把握したきっかけ(複数回答)では「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が小中ともに30%を超えて最多だった。一方で、県教委が高校生を対象に今年3月に実施した不登校に関するアンケートでは、小中学生時代に不登校を経験した高校生の多くが、いじめを含む人間関係を不登校の理由に挙げていた。
また、学校内外の機関で相談したり指導を受けたりしていない不登校者の割合は27.1%と、全国平均(国・私立を含む)の38.8%より低かった。県教委子ども安全支援室の高倉信明室長は「学びの機会を保障し、社会的自立に向けてどう関わり続けるかが大事だ」と話す。(垣花昌弘)