不登校の子どもたちの現状を踏まえ、ユニークな教育を行う「学びの多様化学校」を、新潟県小千谷市が2026年4月に開校する。中学生が対象で、体験学習などを取り入れたカリキュラムを用意する。同時期の開校を目指す上越市とともに県内初の設置になるという。

 小千谷市によると、市立小千谷中学校の分校との位置づけで、市民学習センター楽集館に開く。教職員とスクールカウンセラーを配置し、陶芸教室などの体験学習や探究学習を取り入れたカリキュラムを編成。市外の生徒も受け入れ、通いやすいように登校時間を一般の学校より1時間程度遅くする。

 市内には23年度、30日以上欠席した小中学生が86人いた。不登校の子ども向けに民間が営むフリースクールは市内になく、保護者からは「居場所をつくれないか」などの声が市に届いていたという。

 学びの多様化学校は全国の小中学校で約30万人いるとされる不登校の子どもたちに向けて、文部科学省が多様な教育機会の確保の狙いから全国での設置を進めている。子どもたちが通いやすくするため、授業時間を減らしたり、興味のあるテーマについて探究する学習を取り入れたりするなどしており、各地で開校が続いている。小中学校のほか高校などもあり、学校教育法施行規則に基づいて設置されるため、一般の学校と同じく卒業資格を得られるという。

 同市の宮崎悦男市長は記者会見で「生徒が安心して学ぶための環境を提供し、自分のペースで学び、成長していってほしい」と開校の目的を説明した。

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