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埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、下水道管の全国緊急点検が行われた中、点検を装った不審な電話や訪問が相次ぎ、各地の自治体が注意を呼びかけている。
東京都小金井市では1月から、市職員を装って「自宅の汚水升の清掃をするので立ち会ってほしい」「マンホールの点検をするので、在宅の日時を教えてほしい」などと持ちかける不審な電話が相次ぎ、市民から延べ100件超の問い合わせが寄せられている。「無料で点検する」と言われたのに、後から高額を請求された人もいるという。
市は、ホームページやSNSで「住民にこのような電話はかけない」と説明。担当者は「市民の不安を悪用している。強引な場合には、警察に相談してほしい」と話す。
熊本県合志市では、市から委託を受けたかのように装い、下水道の点検や清掃をする勧誘が相次ぎ、相談の電話が十数件、寄せられた。茨城県坂東市などでも同様の相談があり、ホームページで注意を促している。
国民生活センターによると近年、業者が「無料点検」などを口実に家に上がり込み、不安をあおって高額な契約を迫る「点検商法」の被害が増えている。安易に家の中に入れず、必要がなければ断るよう助言している。