阪神・淡路大震災から30年となった17日、大阪府は大規模な地震や津波被害を想定した災害対策訓練を実施した。4月に大阪・関西万博が開幕することを踏まえ、万博会場への食料輸送や、会場からの負傷者搬送の手順なども確かめた。
訓練は南海トラフ地震に備え、和歌山県南方沖を震源とする最大震度7の大地震が万博会期中の4月20日午前11時ごろに発生し、府内も最大震度6強に襲われたという想定で実施した。
大阪市では、舞洲(此花区)の北港白津岸壁で訓練があり、府・市や自衛隊、海上保安庁などの職員計約200人が参加した。市消防局の隊員が負傷者を船や救急車で搬送したほか、津波で流された人の捜索やドローンでの食料輸送などについて、各機関の連携を確認した。
万博は半年間にわたり、舞洲の南にある人工島・夢洲(此花区)で開催され、会期中に約2820万人の来場者を見込む。地下鉄や橋で隣の島とつながるが、地震や津波の影響で孤立する恐れも指摘されている。
訓練後に報道陣の取材に応じた吉村洋文知事は「人命救助、物資のやり取りなど、日頃から訓練を通じて関係機関が情報共有するのが重要だ」と語った。