(3日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス12―1千葉ロッテマリーンズ)
楽天バッテリーが上がった試合後のお立ち台。早川隆久の第一声は、横に並ぶ太田光をめぐる謝罪から始まった。「2週間前はいろいろとお騒がせしてすみませんでした」
一騒動が起きたのは前回登板した4月19日の西武戦。太田との呼吸が合わず、三回までに5失点。四回から石原彪(つよし)と組むと、その後は七回まで無失点に抑えた。エース候補の25歳はしかし、いらだちを抑えられない。試合後、太田を非難したとも受け取れる発言を口にし、波紋が広がった。
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翌日、事態の大きさに気づいた早川が謝った。「もう一回組ませてください」。正捕手を狙う27歳も昨季、早川の時に1度も先発マスクをかぶっていない。「早川だけが悪いと思っていない。早川を生かし切れていない」
2人は腹を割って話し合った。「どう思っているか、まず言ってもらった。言いづらい部分があったかもしれないので聞くスタンスで」と太田は振り返る。
この日は六回2死一塁、石川慎吾の場面で、早川が3度首を振る。プレートを外す。それでも2人の思いはすれ違わなかった。「危ないなと思った時は首を振りますと伝えていた。そこは良かった」と早川が言えば、太田は「(早川の)意図を感じながら、僕自身もこういう風にやりたいんだと。打ち合わせ通り感じられた」。
どんなに対話を重ねてもすべてを理解し合うのは難しい。それでも、18・44メートルの距離で向き合った2人は9回1失点。今季チーム初の完投勝利以上に、意味のある127球だった。(笠井正基)
「信頼関係も築けた」
今江監督(楽) 早川と太田のバッテリーについて「2人で反省しながら、やってくれている。良い形で来ている」。
的場バッテリーコーチ(楽) 「(早川と太田が)2人で話し合って良い試合ができた。自信になったし、信頼関係も築けたと思います」