原告全員の救済を長崎市などに訴える、被爆体験者訴訟の原告ら=2024年9月10日、長崎市役所、小川崇撮影

 長崎で原爆に遭いながら、被爆者と認められずにいる「被爆体験者」の訴訟で、原告44人の一部を被爆者と認定した9日の長崎地裁判決について、原告らは10日、被告の長崎市と長崎県に、認定された15人について判決を受け入れ、被爆者健康手帳を交付するよう求めた。また、被爆体験者全員を、政治判断で救済するよう要望した。

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 原告らが県・市の担当者と面会。原告のひとり、山内武さん(81)は「とにかく裁判が終わった人だけでも先に救済してほしい」と要望。被爆者と認定されなかった29人を含む被爆体験者についても、「一部の地域だけではなく、全体で認めてもらえるよう政治判断してほしい」と訴えた。

 8月9日に被爆体験者らと面会した岸田文雄首相は、「早急に課題を合理的に解決できるよう、具体的な対応策を調整する」と述べ、同席した武見敬三厚生労働相に指示している。長崎市の鈴木史朗市長や大石賢吾県知事らは11日、厚生労働省を訪れ、原告らの考えを伝え、国側に早期救済を働きかける意向だ。

 9日の長崎地裁の判決は、原告44人のうち、国が定めた「被爆体験者」区域のうち東側の旧3村の一部について、住民らの証言や調査結果などから「黒い雨」が降ったと認め、この地域にいた15人を被爆者と認定。一方、地域外の29人の訴えは退けた。(小川崇)

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