こども家庭庁内のイベントスペース入り口=東京都千代田区

 虐待を受けた子どもを児童相談所(児相)が一時保護するかを判断する際に、リスクを判定したスコアを出し、職員の判断に役立てる人工知能(AI)について、こども家庭庁は今年度に自治体への導入を目指していたが、延期を決めた。判定に見落としがあったり、児相の職員が見て疑いがあったりする判定が多かったため。昨年12月の児童虐待防止対策部会で明らかにした。

 児相の負担軽減や判断の質の向上のため、国が2021年度から総額約10億円をかけて開発を進めていた。全国の児相から提供された5千件の事例をAIに学習させ、傷の有無や子どもが帰宅を拒否しているか、虐待歴があるかどうか、保護者の態度など91項目を設定。これらを入力すると、0~100点でリスクを示すスコアが出る。

 今年度に試作モデルで10自治体の100事例を試行的に検証したところ、児相の幹部職員らから、62件でスコアが「低い」「高い」といった疑義が生じたという。

 「母に半殺し以上のことをさ…

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