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バチカンのサンピエトロ広場で2025年2月26日、フランシスコ教皇の回復を祈る修道女ら=ロイター

 ローマ教皇庁(バチカン)は28日、肺炎で入院中のフランシスコ教皇(88)が気管支けいれんを起こしたと発表した。人工呼吸器による処置を受けたが、意識は失っておらず、医師の治療に協力できる状態だったという。

 バチカンによると、フランシスコ教皇は28日、病院内で祈ったり、呼吸器の治療を受けたりして午前を過ごしたが、午後になって気管支けいれんの発作を発症。嘔吐(おうと)した後に呼吸の状態が急激に悪化したため、すぐに人工呼吸器の装着を受けたという。

 バチカンは声明の中で、教皇が「常に意識を保ち、治療に協力的だった」と説明したが、人工呼吸器の装着が続いているのかなど教皇の容体に関する詳細は明らかにしていない。イタリアのANSA通信はバチカン関係者の話として、気管支けいれんの発作による容体への影響については判断までに1~2日間かかると伝えている。

 フランシスコ教皇は14日に気管支炎の治療のため入院した後、18日に両肺で肺炎を発症していると診断された。22日には容体が悪化して輸血や酸素吸入の措置を受けた。しかし、ここ数日は呼吸困難の症状が起きず、病状の改善が続いていた。

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