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脱線現場の近くに残されたままのいすみ鉄道の車両=2024年12月16日、千葉県いすみ市苅谷、中野渉撮影
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 ローカル鉄道はひとたび災害や事故が起きると、ピンチに陥る。房総半島を走る第三セクターの「いすみ鉄道」もその一つ。昨秋の脱線事故から運休が続き、地域の貴重な足は止まったままだ。

代行バスで通学

 昨年12月、千葉県大多喜町の大多喜駅前にバスが着くと、制服姿の高校生が次々と降りた。

 生徒の一人は「バスは座れるからいいけれど、鉄道に比べると本数が少ない」と語った。「帰宅時の最終バスが鉄道より早いので、部活を前よりも早く終わらせないといけない」という声もあった。

 その2カ月前の10月4日朝、通学時間帯にいすみ市内で脱線は起きた。乗客104人にけがはなかったが、その大半が大多喜駅近くの県立大多喜高校の生徒だった。同社は事故以降、代行バスを走らせている。

保護者からは「送り迎えが大変」「ガソリン代が高い」

 同校によると、全校生徒約3…

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