
岩屋毅外相は4日の記者会見で、ロシア外務省が岩屋氏自身を含む日本人9人を無期限で入国禁止の対象にしたことについて、ロシアに対して「遺憾の意をしっかりと申し入れたい」と述べた。ロシア側は「日本の制裁への対抗措置」としているが、岩屋氏は「全てロシアによるウクライナ侵略に起因している。日本側に責任を転嫁することは全く受け入れられない」と反発した。外務省によると、同日中に外交ルートを通じてロシア側に申し入れる方針。
- G7声明での「侵略」言及、米が反対か 日本は対ロ制裁の継続強調
岩屋氏は「日ロ関係は厳しい状況だが、外交当局間では解決しなければならない懸案事項が山積している。引き続きロシア側との意思疎通も行っていきたい」と語った。日ロ間では、北方領土の元島民らによる「北方墓参」といった「四島交流等事業」がウクライナ侵攻後に停止しており、日本政府は再開を最優先事項と位置づけている。
今回、入国禁止の対象となったのは、中込正志・駐ウクライナ大使や松田邦紀・前大使、国際協力機構(JICA)で欧州を担当する原昌平理事ら。ウクライナ支援に関連する個人や団体が対象になったとみられる。
ウクライナ侵略後にロシアが日本に対して入国禁止を発表したのは4回目。初の入国禁止措置だった2022年5月には当時の岸田文雄首相や林芳正外相ら63人が対象となった。同年7月には衆院議員384人が対象となり、石破茂首相はその際に含まれていた。その後、24年7月には日本企業やJICA関係者ら13人が追加され、今回を含め計469人が入国禁止となった。