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品川―名古屋間が開業時点の関東車両基地の完成予想図。大阪開業に備え、用地に未利用地を残しているという=JR東海提供

 リニア中央新幹線の関東車両基地の建設に向けた安全祈願が25日、相模原市緑区鳥屋(とや)の予定地であり、JR東海や清水建設などの関係者や住民ら約30人が出席した。

 車両基地は沿線2カ所に設けられるものの一つで、神奈川県駅(仮称)の西約9キロで分岐した約4キロ先に設けられる。山林や畑などがある標高約300メートルの一帯約60ヘクタールを造成し、うち約40ヘクタール(全長約2キロ、幅最大約500メートル)が車両基地となる。

 用地内で420万立方メートルの土砂を削り、370万立方メートルを埋め立てる。50万立方メートルは残土として搬出する予定だ。

 工事は串川に注ぐ上流の四つの沢にまたがるため、付け替え水路を設けるほか、水害に備えた調整池も設ける。

 2027年9月に造成工事が終わり、その後、検修庫や留置線など車両基地の施設が建設される予定だという。

 一方、環境影響評価では、工事によって生物の生息・生育状況が大きく変わると指摘され、代償措置として車両基地近くに動植物の生息・生育を保つためのビオトープを設けるという。

 この日はJR東海の新美憲一・中央新幹線建設部長が「大切な土地やすまいをお譲りいただいたことに感謝し、工事は安全最優先で進めてまいります。地域とは末永いつきあいをしていきたい」とあいさつした。

 ただ、地元では「19年の規模の水害だと付け替え水路や調整池だけでは不十分」などと反対する声もある。

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