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盗品だったプリウス=2024年8月21日午後4時49分、安城署、松本敏博撮影
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 愛知県内で1~6月、自動車盗難被害が425件(前年比97件増)発生し、都道府県別で全国ワーストだったことが県警への取材で分かった。被害車種はトヨタのランドクルーザー(ランクル)やプリウス、アルファードやレクサスに集中。岐阜、三重両県でも同様の被害傾向にあり、各県警はハンドルロックなどの防犯対策を呼びかけている。

 愛知県警によると、425件のうちランクル、プリウス、アルファードが約6割を占めた。

 岐阜では、同時期49件(前年比21件減)だった。三重では同35件(暫定値、同31件減)で、近年では軽トラックや軽ワゴン車の被害も確認されている。

 愛知県を販売エリアとするトヨタ自動車系のディーラーによると、被害が集中する車種は海外でも人気があり、国内の中古市場では高価格で取引されているという。

「アナログ」な防犯も効果的

 愛知県警生活安全総務課は、県内での盗難被害が多い理由として、全国1位の保有台数や被害車両をすぐに移動させられる交通網のアクセスの良さなどがあると分析する。

 盗難の手口は自動車のセキュリティーシステムに侵入し、ドアロックを解除してエンジンを始動するケースが多く、被害車両は海外などに転売されているとみられる。

 被害は夜間駐車する自宅駐車場や月決め駐車場で遭うケースが大半を占め、ディーラーの担当者は「ハンドルロックやタイヤロックなど『アナログ』な防犯用品が効果的」と話す。(川西めいこ)

大事なのは「狙われやすいという意識」

 名古屋市緑区の会社員男性(45)は、愛知県警職員の助言や県警の防犯情報を配信する「パトネットあいち」などで所有していたアルファードが盗難被害が多いことを知り、7千円ほどで購入したハンドルロックを始めた。5年ほど前にランドクルーザーに乗り換えると、タイヤロックも併用しているという。

 自宅駐車場の駐車や乗車のた…

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