積み上げた安打は、歴代5位となる日米通算2723本。球界を代表するヒットメーカー、ヤクルトの青木宣親(のりちか)外野手がバットを置くことを決心した。
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打撃をとことん追求してきた21年間だった。
「いろんな投げ方の投手と対戦するんだから、打撃もいろんな打ち方があった方がいい」
そんな独自の理論を持ち、試合ごと、打席ごとに打撃フォームやスイングの改良を重ねてきた。右足を大きく開いて構えたり、ひざを深く曲げたり。グリップの位置や足の上げ方、打席の立つ位置なども投手によって微調整。前の打席で安打を放っても、状況に応じて変化を恐れない柔軟さがあった。
なかでも、バットにはこだわった。
7球団を渡り歩いた大リーグ時代、同僚の選手たちのバットを借りては、重さを量った。独自に分析し、バットの重さと結果の関係性をまとめた。活躍する選手の共通点は800グラム台の軽いバットを使っていたことがわかり、900グラム超だった自らもバットを見直した。「所属した7球団、みんなのバットを全部、量ったから。間違いない」
そんな打撃理論と人間性から、球界の後輩たちにも慕われた。
ヤクルトの後輩の村上宗隆(…