「モンスターブラックホール」が誕生しようとしている場面をとらえたと、国立天文台や愛媛大などの研究チームが発表した。宇宙が生まれて間もない時期に、二つの銀河が合体しようとしているところだという。銀河やブラックホールの成り立ちを探る手がかりになると期待される。
138億年前のビッグバンから10億年もたっていない初期の宇宙では、太陽の10億倍を超える質量をもつ超巨大なブラックホールがいくつも見つかっている。ブラックホールに大量の星間物質が吸い込まれる際に光を発するため、非常に明るく輝く天体「クエーサー」として観測される。
超巨大なブラックホールは銀河どうしが合体することで成長すると考えられるが、どのように合体するのかなど詳しい様子はわかっていない。合体前のクエーサーは暗く、観測が難しいからだ。
今回、研究チームが米ハワイのすばる望遠鏡の観測データを調べたところ、129億光年かなたで暗いクエーサーのペアを発見した。宇宙の誕生から9億年後の姿だ。この天体を南米チリのアルマ望遠鏡で観測した結果、二つの銀河が互いに影響し合い、合体して超巨大な銀河になろうとしているところだとわかった。
二つの銀河の星間物質の総質…
