大阪府警本部

 運転免許が必要なペダル付き原動機付き自転車「モペット」を、免許が不要な「特定小型原動機付き自転車」と偽って販売したとして、大阪府警は31日、自転車製造会社「Wiz(ウィズ) World(ワールド)」(大阪市東住吉区)の男性役員(47)ら2人を詐欺と不正競争防止法違反の疑いで書類送検し、発表した。役員は容疑を否認しているという。

 交通指導課によると、2人は共謀して2023年9月~24年8月、自社製造のモペットをホームページ上で「16歳以上なら誰でも乗れる! 免許不要」などと紹介。道路交通法で免許が不要とされる「特定小型原動機付き自転車」であると誤認させるような表示をし、小売店に計48台を売って約310万円をだまし取った疑いがある。

 モペットを特定小型原付きと偽って販売した容疑での摘発は全国初という。府警は2人について、起訴を求める厳重処分の意見を付けた。

 府警は24年1月、同社に対し、製品を適正に販売するよう指導していた。

 だが、8~9月、府内で同社製品の無免許運転が相次いで発覚。違反者は「特定小型原付きと言われて買った」と話したといい、府警は違法な販売が続いていたとみている。

 特定小型原付きは23年7月の改正道交法で新設された車両区分で、「最高速度20キロ以下」などの条件を満たせば、16歳以上は免許がなくても運転できる。

 一方、モペットは最高速度20キロ超の製品があり、見た目は電動アシスト自転車と似ているが、ペダルをこがなくてもモーターで自走するため、原付きバイクと同じく免許が必要な「一般原付き」に分類される。

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