モグラを研究する山澤泰さん=本人提供

 山のモグラの生息状況について、山形大学の学生が卒業論文で取り組んだ研究が学術誌に掲載された。大学から徒歩圏内の山をフィールドの中心に据え、文字どおり自らの足を使って生態を深掘りした。中学生の時に魅了されて以来約10年の思いを込めた力作だ。

 手がけたのは、現在富山大修士1年の山澤泰(やまさわたい)さん(24)。昨年度まで在籍した山形大理学部で取り組んだ。

 農地などの開けた場所では、モグラが作る塚の観察や捕獲での調査による、海外の先行研究があった。一方、落ち葉が多かったり、地形の起伏があったりする森や山での研究は限られていた。

 山澤さんは、大学のキャンパスから約1.5キロと徒歩圏内にある千歳山(ちとせやま)(標高471メートル)で、未舗装の登山道を歩き、道を横切るモグラのトンネルを探した。底の薄い靴を履き、地面から伝わる足の裏の感覚を頼りにわずかなくぼみを見つけると、まずスコップでトンネルかどうかを調べた。トンネルだった場合は、一部をわざと崩して一晩寝かせた。

指導した教授「途方もないことをやった研究」

卒業研究の対象となったアズマモグラ=論文より引用

 翌日同じルートを歩き修復さ…

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