一人は主将、一人は強豪校のベンチ外メンバー。小さい頃から一緒に野球をやってきた双子の兄弟は、違う立場で高校野球最後の夏を迎える。

兄の丸田倖輝=2024年6月5日午後4時40分、東京都江戸川区本一色3丁目、佐野楓撮影

 小岩高校(東京都江戸川区)の主将、丸田倖輝(こうき)(3年)と、二卵性の双子の弟である城東高校(東京都江東区)の歩遥(あゆと)(3年)が一緒に野球を始めたのは小学1年生の時だった。同じ少年野球チームに入り、低学年の頃はバッテリーを組んだ。中学校まで、ずっとチームメートだった。

 高校は別の学校に進んだ。歩遥が選んだ城東は、甲子園出場経験もある都立の強豪校。部員は約80人いて、レギュラー争いは熾烈(しれつ)だった。3年生になると腰痛に悩まされたこともあり、試合になかなか出られなくなった。

ぶつかった壁 双子の弟から教わったこと

 倖輝が進んだ小岩は、城東ほ…

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