
男性の脱毛志向が、これまで以上に高まっている。ある調査によると市場規模は、直近5年ほどでほぼ倍増。コロナ禍以降に起きたというこの「ブーム」、背景には何があるのか。自身も脱毛経験がある男性記者(33)が探った。
市場規模、5年で倍近くに
リクルートが運営する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」によると、2024年の市場規模は約635億円。コロナ禍前の19年(377億円)から倍近くとなった。翌20年には前年比8%減となるが、21年以降は毎年増加。女性向け市場ではコロナ禍明けに縮小気味なのに対し、男性向けでは伸び続けているのが特徴という。
記者が東京都内の男性向け脱毛サロンに通ったのは3年前。感染対策で常時マスクを着用するようになり、ヒゲが少しでも伸びていると煩わしくなった。敏感肌でカミソリ負けしやすかったこともあり、1年間通って口元をツルツルにした。
調べると、同じような動機は少なくないようだ。男性脱毛サロン大手「メンズTBC」(東京)が顧客約2万人にたずねた21年のアンケートでは、複数回答で「処理が面倒」(28.2%)、「ひげそり後の青みがある」(13.4%)などの回答があった。TBCグループの広報担当・大山隆宏さんは「在宅勤務やマスク着用をきっかけに伸ばしっぱなしにしていたヒゲが気になり、来店した人も多かった」と振り返る。
マスク外した後もなぜ脱毛?
記者自身も含め、多くの人がマスク着用を強いられた影響はあるにせよ、新型コロナが23年5月に5類感染症に移行後も、男性の脱毛志向が衰えないのはなぜだろうか。
大山さんが理由のひとつとし…