ターコイズキリフィッシュ。生殖細胞ができないように操作するとメスもオスも体が大きくなる(下段)=大阪大提供

 ヒトを含む多くの動物でオスよりメスの寿命が長いのはなぜか。長年の謎に大阪大のグループが出した答えは、生殖細胞の違いだ。精子をもたないようにした魚のオスは寿命が延び、卵子をもたないようにしたメスは逆に寿命が縮むことを突き止め、米科学誌に発表する。

 生殖細胞をなくした線虫やハエの寿命が延びるという報告はあるが、脊椎(せきつい)動物の寿命と生殖細胞の関係は不明だった。寿命が長い動物で実験するのはむずかしい。

 そこでグループが注目したのは、アフリカの乾燥地帯にすむターコイズキリフィッシュという魚。体長4センチほどで、寿命はわずか数カ月だ。メスがオスより20%ほど長生きする。

 遺伝子操作により、生殖細胞がないオスとメスをつくったところ、いずれも体が大きくなった。寿命についてはオスとメスで逆の効果が出るとわかった。オスは平均寿命が13%延び、メスは逆に7%縮んだ。

 生殖細胞がないと、どんな変化が起こるのか。

 卵子がないメスは女性ホルモ…

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