宮城県の人口2万人の小さな町が揺れている。世界的な太陽光発電事業者グループによるメガソーラー計画が持ち上がったのだ。環境保全が叫ばれていた町有地の跡地を使う計画だが、町には寝耳に水だった。いったい何が起きているのか。
「(町有地は)売却されたその日に転売されていた。町を欺く行為が行われた」。同県加美町の石山敬貴町長は7月の記者会見で訴えた。
石山町長が問題視したのは2021年4月23日の土地取引だ。町は当時所有していたゴルフ場「やくらいサイズゴルフ倶楽部」の土地(約145ヘクタール)を運営会社「チームトレイン」(同町)に9500万円で売却。同社はその日、カナダを拠点に世界中で太陽光発電事業を展開する「カナディアン・ソーラー」(CS)の子会社「ティーダ・パワー110合同会社」(東京都新宿区)に転売する契約を結んだ。契約額は建物を含め売却額の4倍の4億円だった。
■事前に転売は否定も、町は転…