タイ西部で2025年2月13日、ミャンマー側(奥)から船で移送される外国人ら=タイ国軍提供

 ミャンマーを舞台にした国際的な詐欺をめぐり、日本側がタイ当局に対して、詐欺拠点にいるとみられる日本人の成人男性2人の救出を要請していることが関係者への取材でわかった。

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 ミャンマーの犯罪拠点をめぐっては、日本で闇バイトに応募した愛知県の男子高校生と宮城県の男子高校生がそれぞれタイを経由して渡航。その後、タイ当局に保護され帰国している。愛知県の高校生の説明では、警察官などをかたる特殊詐欺に加担させられたという。

 日本側から救出要請された成人男性2人は高校生がいたミャンマー東部ミャワディの拠点にいるとみられる。愛知県の高校生は「8人くらいの日本人が同じ仕事をしていた」と話しているという。

 日本政府の説明によると、ミャンマーの詐欺拠点をめぐっては、これまでに高校生2人を保護したほか、タイ当局が成人5人を拘束していた。拘束された成人5人のうち4人は帰国済みという。国会では警察庁幹部が「他にも滞在している日本人がいる可能性がある」と答弁していた。

 ミャワディは、ミャンマー国軍と関係が深い少数民族系武装勢力が支配する国境の町で、カジノなどに紛れて犯罪組織が拠点を置く。タイ政府によると、現地の外国人はアフリカや中国など7千人規模にのぼるとみられ、各国が救助要請を強めている。

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