写真・図版
アストロズとのワイルドカードシリーズを制して喜ぶタイガースの選手たち=ロイター

 大リーグの今季ポストシーズン(PS)は、「ブルペンデー」をうまく活用したチームの勝ち上がりが目立っている。

 ブルペンデーは、本来は救援の投手を先発登板させて小刻みに継投していく作戦。いわば、先発投手がいない場合にとられる「窮余の策」。

 だが、これがはまっているのだ。

  • 大谷翔平が変化球を空振りしたわけ ダルビッシュ有が謝った4・14の打席

 ナショナル・リーグの地区シリーズ(S)では、ワイルドカード3位のメッツが、同じ東地区で優勝したフィリーズを3勝1敗で破る「下克上」で、リーグ優勝決定シリーズ(LCS)に進出した。

 大きかったのは第1戦。フィリーズが今季16勝のエース右腕ウィーラーを先発させたのに対し、メッツはレギュラーシーズン(RS)でわずか1試合しか登板していない千賀滉大を先発のマウンドに上げた。

 千賀は先頭打者に本塁打を浴びたが、その後は立ち直って2回1失点。2番手以降の投手も粘って接戦に持ち込む。そしてウィーラーが降板した直後の八回、5安打を集めて一挙5得点で逆転した。

 大黒柱を先発に立てながら初戦を落としたフィリーズは、流れを引き戻せず、逆にメッツは勢いに乗ってシリーズを制した。

 日本中が注目したドジャース―パドレスも、ブルペンデーの採用で流れが変わった。第4戦だ。

 パドレスがRS14勝のシースを先発させたのに対し、ドジャースは救援のブレージャーがスターターに。結果、ドジャースは8投手の継投によって8―0で零封勝ち。形勢を一気に逆転した。

 このブルペンデーを大いに活用し、最大の番狂わせを起こしているのがアメリカン・リーグのタイガースだろう。

 トレード期限が締め切られる…

共有