オレゴン州グランツパスの公園には、ホームレスの人たちが寝泊まりするテントが並ぶ=2024年6月17日、中井大助撮影

 米オレゴン州の町がホームレスの人たちを取り締まるため、公共の場所での寝泊まりを禁じる条例を適用することの是非が争われた訴訟で、米連邦最高裁は28日、取り締まりを容認する判断をした。米国各地でホームレスが増えるなか、今後の自治体の対応にも大きな影響が出そうだ。

 訴訟は、公園でのキャンプなどを禁じるオレゴン州グランツパスの条例をめぐって起こされた。条例は違反者に罰金や公園からの退去を命じ、違反が重なると逮捕も認めるため、原告側は「ホームレスであること自体を犯罪としている」と主張していた。同町は人口約3万8千人のうち約600人がホームレスで、公園に寝泊まりしている人が多い。

 同州を管轄する控訴裁は、「他に寝泊まりする場所がないのに、ホームレスの人に適用することは違憲だ」と判断していた。

 しかし、最高裁は28日の判…

共有