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小惑星ベンヌの写真©NASA

 北海道大などの研究チームは30日、「米国版はやぶさ」が小惑星ベンヌから持ち帰ったサンプルを分析した結果、地球の生命が持つアミノ酸などが検出されたと発表した。これらは日本の「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプルにも含まれており、生命の起源が小惑星からもたらされたとする説を補強する結果だという。

 ベンヌは太陽を周回する直径約500メートルの小惑星で、米航空宇宙局(NASA)の探査機オシリス・レックスが2023年、採取した石や砂121.6グラムを地球に持ち帰った。

 NASAや北大などのチームが分析した結果、生命のたんぱく質の材料となる14種を含む33種のアミノ酸が検出された。アミノ酸はリュウグウでも確認されている。

 生命のDNAとRNAに含まれる核酸塩基5種(アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル)もすべて確認された。リュウグウでもウラシルが検出されている。

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塩酸とともに加熱したベンヌのサンプル=北海道大提供

 ベンヌは、リュウグウと比べてアンモニアの濃度が特に高いこともわかった。それぞれの母天体の誕生した場所などが異なることが示唆されるという。

 両方からアミノ酸や核酸塩基が確認されたことについて、北大の大場康弘准教授は30日の会見で「核酸塩基などは太陽系には普遍的に存在していて、地球上の生命に関係していると考えられる結果だ。地球以外に生命がいる可能性もゼロではないのではないか」と話した。

「右手・左手問題」は……・

 一方、アミノ酸の構造は、鏡…

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