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ベネズエラの首都カラカスで2024年7月30日、支援者の前に立つエドムンド・ゴンサレス氏(中央左)とマリア・マチャド氏(中央右)=ロイター

 欧州連合(EU)の欧州議会は24日、今年の「サハロフ賞」をベネズエラの元外交官エドムンド・ゴンサレス氏(75)と野党指導者のマリア・マチャド氏(57)に贈ると発表した。7月のベネズエラ大統領選で、両氏は同国の平和と民主的な改革のために闘ったと評価された。

 1988年に創設されたサハロフ賞は、人権や民主主義を守るために尽力した個人や団体に贈られる。発表したロベルタ・メツォラ欧州議会議長は「2人は自由で公正で、平和的な政権移行のために闘い続けてきた。ベネズエラと民主主義が、最終的に勝利を収めることを確信している」と述べた。授賞式は12月に仏ストラスブールで行われ、賞金5万ユーロ(約820万円)が贈られる。

 ベネズエラでは1999年にチャベス前大統領が権力を握って以降、反米左派の権威主義体制が続く。今年7月の大統領選でも、現政権が野党の予備選で圧勝したマチャド氏を立候補断念に追い込み、ゴンサレス氏が野党統一候補として出馬。結果、現職のマドゥロ大統領が3選を果たしたが、両氏は選挙の不正を訴えていた。

 大統領選後、ゴンサレス氏は公文書改ざんや共謀などの容疑で逮捕状が出され、現在スペインに亡命している。

イーロン・マスク氏の名前も

 ゴンサレス氏は24日朝、自身のX(旧ツイッター)に「光栄なことで感謝している。この賞は、民主主義を回復するために闘うベネズエラ国民と欧州の人々の深い連帯を体現するものだ。だが闘いは終わっておらず、国内外の民主主義者は、ベネズエラ国民の主権を行使するために協力しなければならない」と投稿した。

 今年のサハロフ賞をめぐっては、6月に行われた欧州議会選で右翼政党が躍進した影響もあった。「表現の自由のために、過激なイスラム主義とポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)などと闘う象徴」だとして、Xを所有する起業家のイーロン・マスク氏も候補に推薦されていた。(ブリュッセル=牛尾梓、サンパウロ=軽部理人)

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