ロシアのプーチン大統領は12日、新しい国防相に、第1副首相のベロウソフ氏(65)を起用する案を上院に提出した。ウクライナ侵攻の長期化をにらみ、経済学者のベロウソフ氏をトップに据え、「戦時経済」を一段と強固にする狙いとみられる。
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ショイグ現国防相(68)は、国防の重要ポストである国家安全保障会議書記となる。週内の協議を経て正式に決まる。ミシュスチン首相やラブロフ外相は留任し、プーチン氏の通算5期目の新内閣の布陣が固まった。
ペスコフ大統領報道官はベロウソフ氏就任の理由を「国内総生産(GDP)の6・7%近くに増加した国防・治安関係の予算を経済全体に統合する必要がある」と指摘した。ロシア下院のカルタポロフ国防委員長は「国防省の調達や補給、訓練のシステムをより効率的にする必要がある」と説明。ショイグ氏も「これは我が国に対する(欧米の)経済戦争であり、経済侵略だ、という大統領の発言に同意する」と、今回の人事を評価した。
ベロウソフ氏は1981年にモスクワ大学経済学部を卒業し、経済官僚などを経て2013年から20年まで経済担当の大統領補佐官を務めた。ショイグ氏に次いで、軍歴がない国防相が誕生することになる。
ベロウソフ氏は13日の上院審議で、兵士への不十分な社会保障は「過剰な官僚主義」が原因だと批判。改革に取り組む姿勢を示した。
退任する側近のポストに注目
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