ロシアのプーチン大統領は16日、北京を訪問し、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。中国国営新華社通信が伝えた。プーチン氏の訪中は昨年10月に続いて半年余りで2回目で、通算5期目の初の外国訪問となる。ウクライナ侵攻でロシアと米欧が激しく対立する中、両首脳は「公正で多極化した世界秩序の実現」に向け、連携強化を打ち出すとみられる。
プーチン氏は同日早朝に北京に到着した。両首脳は歓迎式典に続いて、人民大会堂で会談に臨んだ。共同声明を発表する予定。ただ、ロシア側はウクライナ侵攻などの最重要テーマは、その後の非公式の会談で協議するとしており、中ロ間の資金決済に対する米国の制裁圧力への対応などもそこで議論される可能性が高い。
プーチン氏は今回の訪問で、中国との「強い絆」を世界に示す考え。訪中直前に新華社通信とのインタビューに応じ、最近の両国関係を「歴史的に最高水準」と評価。主な国際問題で立場がほぼ一致するとし、「誰が考えたか分からないルールを押しつける米欧の試みを拒否する」と強調した。
一方、ウクライナ侵攻後に貿易関係を大幅に深めた中国は米欧から対ロシア制裁への「抜け穴」を担っていると批判され、新たな制裁の圧力に直面する。米国との難しい関係を抱える中で、戦略的に重要なロシアとの協力関係をどこまで進めるかが注目される。(北京=畑宗太郎)