引退会見で話す宇野昌磨=2024年5月14日午後2時44分、東京都千代田区、西岡臣撮影

 今季限りで競技から退くことを発表したフィギュアスケート男子の宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が14日、東京都内で記者会見を開いた。

 引退を決めたきっかけや、プロ転向への思いなど、会見での主なやりとりは以下の通り。

 「この度、私は現役フィギュアスケート選手を引退することとなりました。今日まで応援してくださった皆さん、本当にとても感謝しています。また今後もスケートを、プロとしてですけども、スケートという道を続けていくことに変わりはないので、引き続き応援してくれるとうれしいかなと思います。皆さん、ありがとうございました」

――引退を決めて、報告をした率直な気持ちはどうですか?

 「まず、この場に入った時によくお世話になっている方々もたくさんいたので、その方たちがちょっと笑顔なのを見て、すごくうれしかったです。この引退会見という場にこれだけたくさんの方が集まってくれたことに、今日までフィギュアスケートを競技として頑張ってきた自分の道が本当に表れているような感じもします。これだけのたくさんの方に支えられてきたんだなっていうのを実感しております」

――5月9日にSNSで引退報告。そこから、ものすごい量の反響でした。

 「SNSにはだいぶ疎い方なんですが、たくさんのメッセージを本当にありがたく受け取っています。僕もこの引退という場を悲しいというよりも、すごく前向きな気持ちで、そしてまだまだこれからもスケートを続けていくという意味でも、全然悲しい気持ちはないので。もちろん『悲しい』と思っていただける方は、とてもその声もうれしいかなと思うんですけれど、次に向かって『またスケートを全力で頑張ります』という気持ちも込めての発表でもありますので、今後とも楽しく応援していただけるといいかなと思っています」

引退会見に臨む宇野昌磨=2024年5月14日午後2時1分、東京都千代田区、西岡臣撮影

――先輩からも後輩からも、いろんな方からメッセージが届いて、いろんなところから愛されているという感じでした。

 「本当に、皆さん温かいなって思っています。僕は本当に、今回この場もですけど、今までもメディアの皆さんに、本当に自分の言葉で、自分の好きなようにしゃべって、そして日々の先輩、後輩の方たちにも全然気遣いとか、先輩らしいことができていない時もたくさんあったと思うんです。みんな本当に良い子で、そして良い先輩で。僕よりもしっかりしている後輩もたくさんいるので、これからのフィギュアスケートかいわいもすごく楽しみだなと思っています」

――国際スケート連盟(ISU)の会長からもメッセージをいただいています。「世界中のファンに感動を与え続けて下さり、ありがとうございました。今後の更なるご活躍を願っています」。世界を湧かせたことについては?

 「いや、そんな……、湧かせただなんて思っていないんですけれど(笑)。でも本当に、それだけたくさんの方がフィギュアスケートというものに注目して下さって、そして僕を応援して下さっていたんだなと思っています。フィギュアスケートでつながれた、出会えた全て人たちにとても感謝していると共に、これからは僕が少しでもサポートできる部分があればいいなって思っているところです」

――五輪では合計三つのメダルを獲得。世界選手権では連覇を達成しました。5歳でスケート始めて20年以上。これだけの成績を残せたことはどう思いますか?

 「いや、まさか僕がこういう選手になれると思っていなかったですし、まさか人前で、本当にこうやってしゃべれる人間になれると思っていなかったので、本当にフィギュアスケートと出会えて、すごく感謝と共に驚きのことばかりですね。まさかテレビで見ていたオリンピックの舞台とか、そこで良い成績を残せると思っていませんでした。世界選手で優勝する選手になれると、本当にこの3、4年前まで思っていなかったので、このフィギュアスケートとの出会いっていうのはすごく感慨深いものだなと思います」

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――何がそこにあったからこういう成績を残せたんだと思いますか?

 「どうでしょう。やっぱり…

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