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パステルを売る屋台。大きな鍋にひいた油で揚げている=2024年11月29日、サンパウロ、軽部理人撮影
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@サンパウロ

 サンパウロ生活の楽しみの一つは、毎週金曜日に自宅近くで開かれるフェイラ(朝市)に行くことだ。新鮮な野菜や肉、魚などを求めて市民が集う光景はブラジル名物。そんな各地のフェイラで必ず売られている食べ物が「パステル」だ。

 小麦粉などで作った薄い生地に、牛ひき肉やチーズなどをはさみ、油で揚げる。店舗によって大きさは様々だが、5×10センチの長方形が多い。外はパリパリで中はホクホク。一つ10レアル(250円)ほどで、庶民のおやつとして愛されている。

特派員メモ

世界各地で日々ニュースを追っている朝日新聞記者が取材や暮らしの中で感じたことをつづった「特派員メモ」。トランプ前米大統領の返り咲きなど、大きな国際ニュースが相次いだ2024年を振り返ったコラムを年末にまとめて配信します。長年紙面でご愛読いただいているコラムをお読みください。

 実はパステルを売っているのは日系人の店が多い。〝Yokoyama〟や〝Yamaguchi〟など、創業者とみられる名を冠した店も目立つ。諸説あるが、旧宗主国ポルトガルの修道院料理を、春巻きになじみがある中国移民が売り始め、日系移民が広めたとされる。

 だが食の研究家によると、第…

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