ブラジルの大統領官邸で中国の習近平(シーチンピン)国家主席(左)を歓迎するルラ大統領=2024年11月20日、ロイター

 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は20日、ブラジルの首都ブラジリアを国賓訪問し、ルラ大統領と会談した。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」についてブラジルは正式参加を見送ったものの、協力することで一致。トランプ次期米大統領の誕生で、両国がさらに接近する可能性もある。

  • 習氏とブラジル大統領が会談「関係は史上最良」 一帯一路でも協力へ

 「中国とブラジルの関係は史上最良の時期にある」。習氏は会談で、今年で国交正常化50年を迎えた両国の絆を強調した。

 米国中心でない国際秩序を模索する中国は、新興・途上国「グローバルサウス」との連携を重視してきた。特にブラジルとは左派のルラ政権下で関係を深化。ともに新興国グループ「BRICS」を構成し、国際政治の舞台で歩調を合わせることが目立つ。ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、今年5月に中国とブラジルが共同で独自の和平案を発表した。

 ブラジルの一帯一路への参加は会談の焦点の一つだった。ブラジルにとって中国は最大の貿易相手国で、2010年に562億ドル(8兆7千億円)だった輸出入額は、23年に1570億ドル(24兆4千億円)にまで増えた。一帯一路に参加すれば貿易や投資の増加が期待できるが、参加は見送られた。

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