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フランス中部リヨンで開催された「パテ・クルート」の世界選手権で優勝した真野大貴さん(中央)と準優勝した石本省吾さん(右)=2024年12月2日、大会主催者提供
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 フランスの伝統料理「パテ・クルート」の腕前を競う世界選手権で、日本人シェフの活躍が続いている。仏中部リヨンで昨年12月2日に開催された第15回大会では、アジア予選を勝ち抜いた2人が優勝と準優勝を達成。日本の料理人の技術が、衰退の危機にあったフランス料理の伝統の一皿の復権を後押ししている。

 パテ・クルートは、中世に起源を持つとされる前菜で、豚や鶏、カモなど数種類の肉とフォアグラ、香草を混ぜたパテをパイ生地に包んで焼き、コンソメのジュレを流し込んで固める。「最も奥の深い一皿」とも言われ、フランスには「驚きの詰まった宝石箱」と表現する料理評論家もいる。

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 ただ、調理に手間がかかることや前菜にしては「重い」イメージなどからフランスでは一時、人気を失った。そんな中で「美食の街」として知られるリヨンの料理人らが中心となって、2009年から世界選手権を開催。仏料理界の重鎮らによる審査の下で、「ミシュラン」の星を持つレストランの若手シェフらが腕を競う場に成長した。

 世界選手権では、パテのおい…

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