フランスのマクロン大統領が9日夜、国民議会(下院)の解散と総選挙の実施を発表した。フランスでこの日に投開票が行われた欧州議会選(定数720)で、マクロン氏の与党連合が右翼「国民連合(RN)」に歴史的大敗を喫する見通しになり、決断した。
マクロン氏は仏大統領府から急きょ、国民に向けて演説。「欧州を守る政党にとって良い結果ではない」とした上で、「私は何ごともなかったかのように振る舞うことはできない」と述べた。総選挙は6月30日に第1回投票、7月7日に第2回投票が実施される。
欧州議会選は欧州連合(EU)の加盟27カ国で6~9日に行われた。フランスにはドイツに次いで2番目に多い81議席が割り当てられている。9日午後8時現在の仏公共放送の速報推計によると、RNは得票率でトップの31・5%を獲得。一方、マクロン氏の与党連合は15・2%にとどまった。
RNのジョルダン・バルデラ党首(28)は開票速報後、「権力者の前例のない敗北は、ポスト・マクロンの始まりだ」と勝利を宣言した。(パリ=宋光祐)