フィリピン・マニラ首都圏の軍司令部で2024年7月4日、記者会見するブラウナー参謀総長。フィリピン軍提供=AP
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 フィリピンの基地など25カ所を、中国が極超音速ミサイルの標的にする計画がある――。フィリピンの上院議員がこんな情報を明らかにし、懸念が広がっている。標的の多くは同盟国の米軍が一時駐留できる拠点だという。フィリピン軍のブラウナー参謀総長は4日の記者会見で「ミサイル攻撃に備え、基地の強化を進める」と表明した。

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 発端は2日。マルコス大統領の姉のアイミー・マルコス上院議員がソーシャルメディアに投稿した動画で、フィリピンを極超音速ミサイルの標的にするとの中国の計画を把握した、と明らかにした。アイミー氏は、米国と安全保障面で関係を強めるフィリピンを「中国が脅威とみなし始めた」と分析したが、具体的な資料や情報源は公表しなかった。

 これに対し、国軍のブラウナー氏は4日の会見で、アイミー氏の報告内容は検証中だとし、国民に「パニックに陥らないように」と訴えた。一方で、ミサイルやドローンによる攻撃の可能性は「直視しなければならない現実だ」との認識を示し、「我々ができることは施設を強化し、攻撃から守ることだ」として、米軍と協力して防衛態勢をさらに固める考えを示した。

 一方、中国外務省の毛寧副報道局長は4日の定例会見で、フィリピン側の指摘について「その情報はどこから来たのかわからない」とコメント。「中国は平和発展の道をしっかり歩み、いかなる国に対する脅威にもならない」と述べた。

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