レバノンの首都ベイルート南郊で2024年9月27日、イスラエル軍による攻撃の被害状況を調べる人たち=ロイター

 レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師がイスラエル軍の空爆で殺害された。中東がさらなる地域紛争の危機に向かうのかどうか、ヒズボラの動きとともに、関係の深いある国の今後の動向が注目される。

  • 【そもそも解説】武器はハマスの7倍、ヒズボラの起源とその実力とは

 ヒズボラは昨年10月にガザでの戦争が始まって以降、イスラエル北部へのロケット弾による攻撃を続けてきた。イスラエルという共通の敵に立ち向かい、イスラム組織ハマスを側面支援するためだ。

 レバノン各地で通信機器の爆発が起き、3千人以上の死傷者を出して国内が大混乱に陥った直後の19日の演説でも、ナスララ師は爆発がイスラエルによるものだと断定。公式、非公式なルートを通じて、イスラエルの攻撃の目的はヒズボラにハマスを支援するためのイスラエル攻撃をやめさせることにあるとのメッセージを受け取ったことを明かした。その上で、「イスラエルがガザの侵略をやめるまで、我々はガザの人々への支援をやめない」と言い切り、イスラエルへの報復を宣言していた。

ガザ以上の紛争に発展する恐れ

 結果として、ヒズボラはこの…

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